Cooled 6D   
2015/04/16 新規
2015/05/14 更新
2015/05/15 更新
2015/06/20 更新
2016/12/20 更新

2015/04/16 始めに
去年から開発していましたCooledα7sは諸般の事情により中止となりました。
ご期待に応じられず申し訳ありませんでした。
結局、需要が少ない物は製品化が難しいという現実に直面した訳でして
部品の仕入れ数量が必要で小回りがききにくい今の日本にため息をついております。

さて、
 そんな現状でも Cooled 6D なら部品のデッドストックも無かろうと製品化に着手しました。
満足行く冷却温度が得られず4台目で目的を達成しましたので発表させていただきます。

最終的な詰めが残っていますが、6月には受注開始したいと思っています。


概略仕様
冷却温度: 外気温-25℃±3℃
電源電圧: DC12V
電源電流: 2.5A   (電源投入時約3A)
全備重量: 1500g
フィルター: 52mm(差し込み式) 
      

2015/05/14   ダークを撮ってみました。
室温28℃:

本機は冷却をOFFにしてもCMOS背面にある放熱器から廃熱されるのでノーマル6Dよりもノイズが少なくなります。
従って、CMOSを外に出してノーマル6Dに近い条件で撮影しました。
(もちろん暗箱に入れて撮影)
念のためCMOSに黒い袋を被せたので通常よりも少し温度が上がって、不利になったかもしれませんが
冷却2℃との差は大きいです。


冷却温度 2℃:

CMOSを組み込んで完成品状態で撮影です。
温度が安定するまで少し時間がかかります。(5分程度)
これは、ユニット自身の発熱を利用してCMOS前面フィルターを暖めるために熱容量を大きくした影響です。

ちなみに、結露耐性の簡易実験をしたところ非常に良好でした。
50cmの正方形の箱にCooled 6Dと沸騰したポットを入れてボディーキャップを外して観測しましたが
たちまちボディーに水滴が大量に付きますがフィルターには影響がありません。
さすがに、5分ほどでうっすらと結露します。(何せむき出しの湿度100%ですから)
ボディーキャップをすると結露が無くなりますのでレンズや鏡筒をマウントすれば問題ありません。

フランジ中間に設けた52mmのフィルターを入れればより安全になります。

 

 ISO1600 30分 

 ISO3200 30分 
  28℃ 
orgデーター(21.9MB) 
 
 
orgデーター(25.8MB) 
 ↓
  2℃   
orgデーター(1.9MB) 
 
orgデーター(3.7MB) 
     

オリジナルデーター(jpeg)のファイル容量でも分かる通り随分差が出ています。

4隅のピクセル等倍も載せておきます
   ISO1600 30分    ISO3200 30分
 28℃      
   ↓    ↓
 2℃      

2015/05/15 マウントについて
Cooled 6D はEOSマウントオンリーです。

設計当初、たわみが出ないか不安でしたが、知人からEOSマウントは丈夫と聞いてコレにしました。
完成後、たわみゼロはありえないのでスケアリングのズレを実測しましたが、全く微々たる変動でした。
キヤノンデジカメの製品ばらつき範囲よりも、おおよそ1/10程度の変動です。

Cooled 6D は前面のボルトで完全にスケアリング調整をして出荷しますので
EOSマウントのたわみがあったとしても、オリジナルのEOS 6D よりも安心して頂けると思います。

余談: 最近、なんだかスケアリング検証ブームになっているようで当方にも依頼がありますが、
どれを調べてもメーカーのバラツキ範囲で収まっています。
このバラツキで星像に影響が出るとは思えませんが、
まぁ精神衛生上確認をしておいた方が良いと言うことでしょうか。

ただ 過去に1台だけユーザーさんが落下させスケアリングが狂ったようだとの依頼がありましたが、
なるほどCMOSの保持部が変形していました。
セラミック製のCMOSは結構重いので打ち所が悪いと狂うことがありますので注意してください。


2015/06/20 Cooled6D の特長及び注意点 
■CMOSセンサーを外に出して冷却チャンバーに入れました。

 長所:  冷却効率が上がりました。(12V2.5A 外気温 約−25℃)
   センサーがむらなく冷却され、安定したノイズ低減が期待できます。
  密閉容器に入れたCMOSセンサーは結露のトラブルから解放されます。
   ミラーによるケラレは皆無です。
   52mmフィルターが使用できます。
 48mmフィルターも使用可(要マルミSTEP-DOWN RING 52mm-48mm)
   
     本機の構造上、下記の事項にご注意ください
 短所:*  機械式シャッターを省いたたため、約1秒以下の高速シャッターは使えません。
   ミラーを省いたため、ファインダーの視野はありません。
   AE・AFは使用できません。(マウント内蔵のレンズ接点を省略しました)
    *上記以外のカメラ機能は全て使用できます
   

      内蔵フィルターはSEO-SP4(IRC)またはSEO-SP4C(Clear)を指定してください。

2015/06/20 部材の加工に入りました
 加工設備の増強に追われて製品化が中断していましたが、ようやく部材の加工を始めました。
加工終了は今月末の予定で、来月初めから組み立てに入ります。
7月の新月前には初期ロットの頭出しをしたいと思っています。

2016/12/20 生産終了しました
 おかげさまで2015年発売から5ロット生産しましたが、6D後継機発売の可能性がありますので
このあたりで生産終了とさせていただきます。

後継機が天体用として性能アップされれば挑戦したいと思っています。